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自己破産は債務をすべてなくすという制度で、債務整理の中で最も強い効果を持ちます。自己破産後の生活も気になるところですが、まずは自己破産をしたらどのような状態になるのかをおさらいしましょう。
自己破産をすると、債務が全てなくなります。弁済できるものが無ければ同時廃止といってそのまま成立しますが、差し押さえできる財産があるときは破産管財人の手で財産を売られ、債権者に平等な弁済がされます。自己破産で差し押さえられないものは99万円までの現金と生活に必要な財産です。
本来は差し押さえ禁止財産が法律に示されていますが一般的に差し押さえられないものとして、衣類や1月分の食糧、燃料などがあります。他には拡張できる自由財産として保険の解約金や定期預金などがあり、時には車も自由財産として認められることがあります。
ただし、20万円以上の資産価値を持つものは原則として差し押さえられるので家や車はなくなるものと考えてください。
つまり、自己破産した時の状態は借金なし、持ち家と車はないが、生活に必要な物資や家電は残るという結論になります。しかし、自己破産のあとには弁護士費用を支払わなくてはいけません。
自己破産にかかる弁護士費用はおよそ40〜60万円ほどで、まとまったお金がない以上分割して支払います。ちなみに、賃貸の場合は引っ越す必要はありません。
そして、自己破産をするとその記録が信用情報機関に記録されます。これをブラックリストに載ると表現されますが、ローンカードやクレジットカードの審査が非常に厳しくなり、自己破産という情報は10年記録されます。他の債務整理の場合はもっとデメリットが少ないので自己破産にならない程度の借金の時点で債務整理を行いたいものです。
自己破産そのものは人にばれることは少ないですし、最低限の財産が残っているため再スタートを切ることは可能なのだそうです。制度上も自己破産を理由に解雇されることもなければ履歴書に自己破産の事実を欠くようなことは勿論ないので生活がきわめて困難になることは少ないです。そのため、自己破産をしたら街を歩けなるのではないかというほどの不安を抱えている人は安心してください。
引っ越す場合には保証会社の審査が通りづらくなり、苦労をするという声もよく聞きますが、その一方で安定した収入を取り戻せればクレジットカードの審査に通るという人も少なくないようです。
自己破産後の生活で悩ましいのは、個人からお金を借りた時です。自己破産をする際にはもめますし、そのあとも人間関係を継続することはまず難しいです。同様の理由で、家族の借金を相続放棄する時にもつらい思いをする人は少なくありません。また、自己破産をしたことが万が一他人にばれた場合はそれを理由に距離を置かれることもあるそうです。制度として認められていますが、まだ偏見はあるようです。
自己破産をした人が語るのは闇金の勧誘がたくさん来るということです。自己破産をした人は官報に載りますので「正規の方法で借金を借りられない人」として目をつけられますが、そのために闇金からの郵便物が増えるのだそうです。これは、自己破産を再び行うには7年の期間を必要とすることも大きな理由です。
もしかしたら、借金への誘惑が自己破産後に一番つらいことかもしれません。借金をする人にとって借金はクセのようになってしまうもので、一度借金に苦しんだ痛い思い出があるにもかかわらず再び借金で苦しんでしまいます。自己破産をした人でも闇金に手を出してしまったという体験もよく聞きます。
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