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債務整理を使わなくてはならない借金の案件は、債務者側の問題だけではなく債権者側の意識の問題によって生じてしまうものも存在します。
例えば、社会的な問題となっている過払い金問題は、債権者側に契約上の責任がある借金の案件です。過払い金は、債務者が金融機関に対して借金を法律上の問題点によって多く返還してしまう問題のことを意味します。当然ですが、債務者と債権者によって同意された借金の契約に大きな問題点が存在しない場合には、このようなトラブルは発生しません。
つまり、これは契約上に融資の元金や利息に付いて何らかの問題点が存在することを意味します。過払い金問題が面倒な点は、こうした契約上に存在する問題点に、債務者側が全く気付くことができないケースがとても多いということです。
実際に債権者側は、過払いによって債務者からより多くの金銭を受け取っていたとしても、その事実を知らなかったという弁明で逃れることによって、返還する義務すら怠っているケースが多いです。ですから、債務者に責任が無くて、かつ気づきにくい問題については、確証が無くても債務者側で怪しいと思った時点で問題を解決するための行動をしなくてはいけません。
過払い金問題は、なぜ債権者のミスとして処理することができるのでしょうか。実は、理由は簡単で元金に設定する利息の問題が、そのまま過払い金問題として表に出てしまうからです。金融機関は、元金をそのまま消費者や企業に対して貸し付けても、その元金から収益を獲得することができません。
20万円のお金を消費者に貸して、消費者から貸した20万円が返ってきたとしても、差し引き0になってしまいそこに利益は存在しないからです。そのため、特に個人の消費者に対して融資を提供する金融機関は、貸金業法で定められている利息の範囲内で元金に対して収益になる利息と言うものを設定することになります。
仮に、先ほどの元金20万円に10%の金利を設定しておけば、年間に返済される金利分の価値は20万円の10%分である2万円になります。こうしておけば、融資を提供した金融機関は何もしなくても一定期間を経過するごとに、利息と言う名目で着々と収益を獲得することができるようになるわけです。
そして、過払い金問題と言うのはこの利息の設定に問題がある案件なので、利息を設定した当の金融機関が法律的な責任をとらなくてはいけません。利息は、消費者が金融機関に依頼して設定してもらうものではありません。ですから、この件に関しては債務者は特に責任をとる必要もなく、債権者である金融機関に対して遠慮せずに弁護士に相談して返還請求をしても良いわけです。
過払い金の返還請求を行う際には、自己破産ではなく任意整理を利用することになるのでこの点は注意をしなくてはいけません。自己破産は、債務者の責任を認めてその責任を免除することで手続きを進めていくことになります。
実際に、自己破産は免責事由という責任を免れるための理由を提示する必要があるのに対して、過払い金の任意整理に関してはこのようなことをする必要はありません。これは、債務者が過払い金に関して責任を負わなくてはならない立場にはないからです。
過払い金のトラブルに関しては、債務整理に伴う信用情報についての手続きを行わなくても良い利点があります。債務整理を利用する際の唯一のデメリットは信用情報への傷ですが、過払いに関してはそれすらない寛大な対応が取られているわけです。そのため、弁護士の返還請求が無事に終わった後は特に制約を受けることなく普通の生活を送ることができるでしょう。
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