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借金に悩んだら早めに相談するよう、CMや広告は促しています。たしかに早く解決できるならそれに越したことはありませんが、自己破産間近という人ばかりではないのに弁護士はなぜ早く相談するよう勧めるのでしょうか?そこにはこんな見逃せない理由がありました。
まず、借金で苦しんでいる人の内はすぐにでも相談すべきなのは滞納を繰り返している人です。借金で借金を返した結果返すお金が尽きてしまうと長期滞納につながり、ブラックリストに記録されてしまいます。そして、返済してくれない債務者に対して金融業者は一括請求通知というものを送ります。
これは「〇〇円収めないと一括で借金を返すよう訴訟するぞ」という内容の文書で、裁判になったら債務者自身が証言をしなくてはいけません。弁護士が雇えないからと言って出廷しないと100%裁判に負けて差し押さえが始まります。これなら、恥ずかしくても弁護士に相談した方が良いですよね。
また、借金は何とか返せている人でも長期化すると返済のめどが見えてこないものです。しかも、返済には利息も支払わなくてはいけないので徐々に家計を圧迫してきます。
借金が少し苦しいという程度であれば任意整理で解決できるかもしれませんが、これがどんどん借金がかさみ、困窮度が高まった状態であればもはや債務整理を選ぶことすらできません。最悪の場合は弁護士に相談した時点で自己破産しか選択肢が残されていないことも良くあります。
だからこそ、借金が苦しいなと思った時は余裕のあるうちに、早めの相談が求められるのです。つまり、早めの相談を弁護士事務所が促すのは消費者の選択肢が増えるからなんですね。また、過払い金の場合も時効や金融会社の経営状況との兼ね合いで早めに返してもらった方が確実です。
それでは、早めの相談ってどのくらいのタイミングですればよいのでしょうか?最終的には人次第ですが、「借金が年収の3分の1を超える前」あるいは「月々の返済額が手取りの2割を超える前」です。
まず、借金総額については現実的に返済可能な範囲として年収の3分の1という基準があります。これは総量規制と呼ばれるもので消費者金融は「借金総額が」それ以上にならないよう、審査をしています。しかし、審査の穴を抜ける場合や意図的に審査を甘くする場合もあり実際は借金をする多くの人が総量規制をオーバーしています。
次に、返済額が手取りの2割以上というのは任意整理を検討すべき額です。手取りから家賃光熱費や食費、通信費、雑費を抜くと可処分所得はあまり残らないものです。恐らく手取りの2割を残すので精いっぱいというくらいでしょう。また、急な出費に耐えることも難しいはずです。ちなみに、返済額が手取りの3割を超えるようなら自己破産すべきラインです。
最も簡単な手続きで利息のみをカットします。任意整理は裁判所を通さずに行うことができて、決着もお互いの和解です。ブラックリストに掲載される期間は5年で、それ以外のデメリットはありません。
個人再生は債務を減額する手続きです。安定した収入があることが条件で生活に必要な家や車は差し押さえられずに残すことができます。ブラックリストには7年間記載され、官報にも名前が載ります。
そして、もうどうやっても支払いができない、いわゆる支払い不能の状態になれば債務をすべて帳消しにする自己破産が行われます。自己破産をするとブラックリストに10年間掲載され、官報にも名前が載ります。
また、一度自己破産をしたら7年間は自己破産ができない、家や車も差し押さえられるなど効力に相応するデメリットが課せられます。できれば自己破産にならない段階で債務整理をしたいものですね。
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